こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。

突然ですが、県民の声、都民の声、府民の声、道民の声、市民の声・・・という表現、見聞きしたことがありますか?

これは、一般の人の総意を表すかのような文脈で使われることが多くあります。自治体や公的な機関に寄せられる匿名の意見等の場合にも使われます。

よって、先生方であれば見聞きすることも多いのではないでしょうか。

今回は、この「〇民の声」をもとに、学校が組織として守るべきものについて問題提起をしていきたいと思います。

対等な関係作りのために、言うべきことは言う

匿名の「〇民の声」は、時に、イチャモン以外の何物でもない場合があります。そのような時にも、学校側は低姿勢で臨むのは良くないのではないでしょうか。

毅然とした態度で、「何をおっしゃりたいのですか?」、「こちらはやるべきことをやったまでです」などと切り返すことが必要になります。

その姿勢があって初めて、組織として守るべきものを間違わずに済むのではないでしょうか。

今回はある学校に隣接するアパート住民の「〇民の声」をもとに、考えていきましょう。

実話をもとにしたフィクションです。

24時間体制の監視

A校
◆公立高校

◆生徒の問題行動が多く、数年前までは地域からも煙たがれる学校だった。

◆学校長が変わり、資格・検定試験の充実、補習授業の充実、部活動指導の充実を打ち出した。
 そして、徐々に落ち着きを見せつつある。

◆しかし、まだまだ生活指導上の問題は断続的に起きている。

◆その結果、日々、勤務時間外の指導、教師間の話し合いが続いている。

◆また、予防のためにも、補習授業や部活動指導を機能的かつ継続的に行っている。

このような状態では、退勤が22時、23時になる教師もいます。

また、前日にできなかった授業準備を、早朝に出勤して行う教師もいます。

また在勤中は、電気も使う。

そこを「〇民」の声は突いてくるのです。

➀「昨日は、23時まで、4つの教室で電気がついてましたよ。税金の無駄遣いでは?」

➁「今日は、6時から職員室と生活指導室の電気がついていましたよ。もし部屋を使うにしても、朝なんだから、電気いらないでしょ」

③「昨日は、男女で教員が帰っていましたよ。何、考えているんですか?」

等々。

24時間体制で状況をチェックし電話をかけてくるのです。

反論できるかどうか

➀と➁に関しては、税金の無駄遣いと言って言いたいのでしょうが、であれば生徒を見放しても良いか?ということです。
このような「〇民」は状況が変われば、別のところを突いてきます。

もし、指導もしなかったら生徒の素行は更に悪くなるでしょう。また、資格・検定試験、部活動、補習等で学力や精神力を鍛えて自己肯定感を向上させなかったら・・・これまた、生徒たちは荒れていくことでしょう。

そうしたら、「おたくは、生徒の指導一つできないのか?遊ばせておいて何やってんだ」とくることでしょう。

③に関しては、深読みし過ぎ、プライバシーの侵害、・・・まあ、意味不明ですね。

ただ、何かを言わないと気が済まないのでしょう。事を大きくして、さも「自分が問題を発見してやった」とでも考えて悦に入るのかもしれません。

管理職には毅然と対応をしていただきたい。受け入れてしまうと、面白がって「〇民の声」は続きます。

そして、重要なのは管理職が教職員にどのように伝えるかです。

間違っても注意してはいけない

ここで避けていただきたいのは、教職員に、「〇民の声で△△という苦情が入った」という伝え方をしないことです。

教職員は懸命に職責を果たそうとしています。当然、無駄に電気を使っているわけでもありません。

教師としてやるべきこと、A校の教師としてできることをした結果の、「〇民の声」です。

守るべきはどちらですか?

ここで守るというのは立場だけではありません。

職責を果たす教職員の気概であり、プロ意識です。

もし、「苦情が入った」と伝えるのであれば、「苦情を言っておられたが、見当違いだ。先生方、これからもよろしくお願いします。私が全て受けます」という感じだと思います。

このように、目の前の課題に真摯に取り組む先生方の緊張の糸を切るのは、ほんの一言・・・心配りのない一言です。

自治体全体で節電をしていたとしても、自校の学校の現状を鑑みて、判断して、批判されたら矢面に立つ管理職であっていただきたいです。

管理職にも生活がありますが、A校の教職員にも生活があります。

人を動かす原動力は気持ちです。

児童生徒、保護者含めて、学校関係者が周囲の人々に気を配り、守るべきものを守っていけば、学校は変わっていける!

いいえ、過去のゆとりを取り戻せると、私は考えます。

今、ある人ともので何をやるのか?また、何をやめるのか?

今一度考えていく時ではないでしょうか?

「チーム学校」とは、気持ちから!

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