こんにちは!先生のための働き方コーチ・平田洋典です。前回のブログでは、勤務校の生徒の実態に悩む先生向けに働き方を提案させていただきました。今回も勤務校での悩みなのですが、生徒ではなく「職場風土」とも言うべき、授業以外の場面中心とした慣習等に関する悩みです。このような悩みを抱える先生方は、教師としての明確な理念を抱いた新卒の先生や、最初の人事異動で新たな学校に赴任した先生に多いと思います。

その理由は、前者では、自分がこれまで頭の中で描いてきた理想との落差への驚きが大きいです。後者では、初任校での経験がスタンダードであるという思いが強いことによります。では、悩みが深刻にならないようにするには、どのようなことが必要なのか。そのような「職場風土」が存在する理由を整理して、有効な働き方を以下に述べていきます。

郷に入りては郷に従え

新しい職場に赴任した時に重要なことは、「郷に入りては郷に従え」の精神を持って1年間を過ごすことです。そうすれば、自分の立場を不用意に悪くすることはありません。ただ、これまで経験や自身の理想から疑問点が出てくるのは当然のことです。「郷に入りては・・・」の精神を持ちつつ、おかしな点を改善していくにはどのようにすれば良いのか、着眼点と具体的な方法について述べていきます。

学校には文化が存在する

良くも悪くも、それぞれの学校には文化が存在します。大まかに括ると、①都道府県単位、②市町村単位、③学校単位、に分けられると思います。今回は、③について考えてみます。

初任者は朝一番で出勤する「文化」

初任者は(家庭の都合等がなければ)7時40分(※8時30分勤務開始)に出勤して、職員室の窓開け、机拭き、管理職のお茶出しをする文化がある学校があります。これに関して、教育の確固たる理想を持つ初任者は、「同じ教員なのに、初任者のみにやらせるのはおかしい。そんな時間があったら、教材準備をすることの方が大事だ」と思うこともあるでしょう。

前述したような「文化」が存在する理由は、以下のようなことが考えられます。

  1. 整理された机上を見せることで自覚を促す。
  2. 個人情報が一切置かれていない机上を見せることで自覚を促す。
  3. 管理職とのコミュニケーションをとる時間を意図的に作っている。
  4. 早起きを習慣化させ、疲労がたまった状況でも自然に起きられるリズムを作る。

特に、4は重要だと思います。新卒の初任者の場合、初めての社会人、初めての教員生活で、精神的にもかなりの疲労が蓄積されていきます。仕事が思い通りに進まなくなると精神的に追い込まれてきます。そのような時にでも、早い段階から早起きの習慣がついていれば、もし休む場合でもしっかりと連絡をすることができます。「起きられない→勤務時間内の欠勤連絡ができない→無断欠勤」のパターンを避けることができます。また、心は疲れていても、体が元気であれば「とりあえず行けば、何とかなるかも」と考えて出勤し、授業をしている間に復活するということも多々あります。

副担任は、放課後昇降口で立ち番をする「文化」

次に、このような「文化」が存在する場合はどうでしょうか。それは、「副担任は、下校時間に昇降口にたって生徒の下校(部活動参加)状況を確認する」といったものです。中学校、高等学校、盲学校、ろう学校には一定数の副担任が存在します。しかし、数は少ないです。よって、そのような文化がなかった学校から異動してきた教師は不満に思うかもしれません。「なんで、副担任だけなんだ。担任も含めて輪番にしろ」と。

このような文化が存在する理由として、以下のようなことが考えられます。

  1. 担任の負担軽減(諸帳簿作成、保護者対応等)
  2. 副担任の役割を明らかにして、やる気につなげる

1について。担任が本来の業務に加えて立ち番や、生徒の委員会担当など、全てに関わっていくと、それはそれは、ものすごい物理的な負担になります。少しでも軽減するために、業務の適切な割り振りをしているという点で意義深いことだと思います。2について。生徒の下校を確認することは、安全上とても重要です。その役割を担って担任に報告することで、全教員で生徒の安全を見守っているという意識にもつながります。担任、副担任の立場の違いこそあれ、教師であることに変わりはありません。教師一人一人の存在が大切なのです。

職務命令ではなく、自然にできたもの

このような「文化」を見るときに重要な視点は、これらは職務命令ではなく、自然にできて継続し、固まったものであるということです。守らなくても良いが、どうも長く守られてきているものらしい・・・。そうであるならば、必ず意味があるはずです。そのように考えると、まずは「郷に入りては郷に従え」の精神が必要だと分かると思います。意味があって続いているものに、いきなり「ありえないと思います」、「おかしいと思います」と言うのは危険です。職場での立場が悪くなってしまします。まずは、その「文化」に身を委ねてみましょう。理不尽な攻撃性等がない限りは!

理不尽かどうかは、そこに胡坐をかく人間がいるかどうかで判断する

たとえば、「次年度の担当授業科目の決定権は、主任教諭、主幹教諭にしかない」というもの。実際の決定権は校長にあります。しかし、実際に話し合うのは、教科ごとになります。そこで、主任教諭、主幹教諭が決定していくとなれば、とんでもないことになります。実際には、「教諭」の方が教科指導力もあるということが多々あるからです。そのような「文化」が存在すると、主任教諭、主幹教諭は、「主任だ」、「主幹だ」などという肩書を利用して、得意な科目を異動まで手放さないということが起きかねません。ほとんどの主任、主幹の先生はそんなことはしないと思いますが・・・。

戦わずして、質問をする

理不尽な「文化」は変えていかなければなりません。ただ、そのような時にも、「おかしいと思います」と正面突破しない方が良いです。「売り言葉に買い言葉」で、「うちでの経験がないくせに」とあの手この手で潰されます。そうなると、精神衛生上良くありませんので、穏やかに質問をしてみましょう。また、自分のできることを淡々とこなしましょう。

  1. 「今度、授業を見せてもらってもいいですか?」と質問する
  2. 「〇〇(科目名)で分からないことがあるのですが、今度教えてください」とお願いする。
  3. 〇〇(科目名)で生徒の質問を受け付け、完璧に答える。※生徒からの信頼を得て、自身の実力も高まる。

とにかく冷静に、淡々と、がポイントです。

まとめ

新規採用や異動で新しい職場に赴任したら、まずは「郷に入りては郷に従え」の精神で、職場になじみ、職場の文化を理解することに努めましょう。そうすることで、長い歴史の中で醸成された素晴らしい文化の意義が見えてきます。もし、理不尽な文化が存在していたら、淡々とできることをこなし、状況が変化するのを待ちましょう。

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