こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。梅雨ど真ん中で、気持ちまでじめじめしてくるこの季節。悩みが深刻化しやすい時期でもあります。そこで、今回は「何をやってもうまくいかない」と深く落ち込んでいる先生に向けての記事です。先生、あなたは教師として必要な方です!

正しいビリーフ(信念)を持ち、自分の長所を見直すと目の前が開ける

「何をやってもうまくいかない」というビリーフは非合理的な受け止め方(イラショナル・ビリーフ)です。一歩立ち止まってこのビリーフを検証してみましょう。また、自分の長所を棚卸ししてみると、現状打破のヒントが隠されていることに気付くことが多いです。「答えは自分の中にある」のです。以下、イラショナルビリーフの出現理由を挙げ、検証方法を述べます。また、長所の見付け方と生かし方についても挙げます。そして最後に、最も重要と思われることを述べて、悩む先生への応援としたいと思います。

真面目な先生はイラショナル・ビリーフを抱えやすい

真面目な先生は一つのことがうまく行かなくても、そのことが頭から離れなくなります。例えば、「生徒に反抗された」、「保護者から、授業についてマイナスの評価を受けた」など、二つ以上のことが重なると、「何をやってもうまくいかない」と思ってしまう傾向にあります。完璧にものごとを運びたいが故に、「何をやってもうまくいかない」と思い込んでしまうのです。

完璧であろうとすることは良いこと

「完璧主義」はマイナスの文脈で使用されることがほとんどですが、基本的には良いことです。完璧を目指さない医師に手術を任せることはできません。また、適当な操縦士の飛行機には搭乗したくありません。これと同じで、子どもたちの実態に応じてより良い教育をしようと、少しずつでも良いので成長しようとする教師の姿勢が求められると思います。

結果が出るには時間がかかる

完璧を目指すことで苦しくなるのは、結果をその場で求めるからだと思います。教育方法にはスタンダードは存在するかもしれませんが、絶対的な回答は存在しません。よって、すぐに結果が出なくとも、教育をし続けて長い目で結果を待つことがベターのように思います。常に、教師として完璧を目指して挑戦する姿勢こそが貴いのではないでしょうか。

イラショナル・ビリーフの検証

イラショナル・ビリーフの特徴は、「何も」、「絶対に」、「皆に(が)」、「全て」という表現が付くことがほとんどです。「何をやってもうまくいかない」の他、「生徒全員が私の授業に興味を示さない」、「体育祭では絶対に優勝に導かねばならない」等です。一つずつ検証してみましょう。

・何をやってもうまくいかない 
→ 反抗しているのは一部。授業を好意的に見ない保護者も一部。よって非合理的。

・「生徒全員が私の授業に興味を示さない」 
→ 一人一人に聞いたわけではない。そのように見えるだけ。もし下を向いていても体育の後で疲れ果てていただけかもしれない。よって、非合理的。

・「体育祭では絶対に優勝に導かねばならない」
→生徒(児童)は、本当にそれを望んでいるのか。練習の過程で学ばせることの方が大切なのではないか。また、優勝よりも「絶対に充実感を得たい」が適切ではないか。よって非合理的。

よって、「何をやってもうまくいかない」というのを正しいビリーフ(ラショナル・ビリーフ)に直すと、「授業と保護者対応でうまく行かない面がありはするが、うまくいっていることもある」となります。

長所の棚卸しで足りない面を補う

なぜ、長所に目を向けるかというと、大人になってできないことを克服するには時間がかかるからです。自分の長所に目を向けて、授業がうまく行っていないのであれば授業に取り入れて、苦手な面を覆うことにつなげると良いですね。たとえば、声が教室の隅々まで届きにくい先生の場合。人を上機嫌にさせる(乗せる)ことが得意であれば、座席が前の生徒に「〇〇さんの説明は非常に分かりやすいと思うから、前に来て皆に発表してみてください」などとすれば良いのです。

小平選手に学ぶ

ちなみに、平昌五輪で金メダルに輝いたスピードスケートの小平奈緒選手も、日本人の特性や長所を磨いたそうです。ソチ五輪でメダルに届かなかった小平選手はオランダにスケート留学しました。そこで、パワーで圧倒するオランダ選手の走りをそのまま真似するのではなく、日本人の体型に合ったコーナリングを磨こうと考えて、古武術も学んだそうです。日本に伝わる日本人としての特徴を生かせるものを最大限に取り入れていったのです。その成果が金メダルとして結実したわけです。

時系列で成功体験を書き出す

長所が思い浮かばない場合は、記憶がある限り過去に遡り、「成功体験」を書き出してみると良いです。どんな小さなことでも構いません。「小学校から運動を続けてきたけど、実は図工や美術の成績も良かった」、「音楽の授業で声を褒められた」、「場を和ませることが多かった」等々。それらを授業や、児童・生徒対応、保護者対応にどのように生かすかを考えていけば良いのです。

何よりも大事なのは、うまくいっていることに目を向けること

「何をやってもうまくいかない」というのが非合理的な受け止め方であるとするならば、必ずうまくいっていることがあるはずです。あなたの存在が救いになっている生徒、授業を楽しみにしている生徒、部活動での指導を楽しみにしている生徒、子どもに共通の想いで向き合えるという安心感を持っている保護者・・・。そして、あなたの教師としての在り方を見本として、日々教育実践に励む同僚。視点を変えれば、うまくいっていることはたくさんあります。完全な人間はいません。少しでもうまくいっていることがあるだけで良いのです。

そして、悩んでいることは、課題に向き合っていること。また、課題を解決しようとしていることです。それは素晴らしいことではありませんか!

終わりに

「何をやってもうまくいかない」と悩んでいる先生へ。うまくいっていること、児童生徒の救いになっていることは、たくさんありますよ。これからも応援し続けます。