こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。前回のブログでは、初任者の恩送りについて書きました。教師も組織の一員である以上、一人では良い仕事はできません。今回は、前回に関連して「チーム」について書きます。教師集団がチームになるためには、同僚を受け入れることが必要だと思います。相手を受け入れると、無意識にある「計算」をし始めます。その「計算」についてみていきましょう。

足し算で互いに補い合うこと

まず、相手を受け入れると、自然と「足し算」をするようになります。具体的には、相手の足りないところを見るのではなく、相手の秀でた点を見付けて、共に協力しようとする姿勢が生まれます。この足し算の姿勢があれば、新転任者のみならず、在職者でプライベートな環境が変わり従来通りには働けない同僚に対しても優しく接することができます。以下、具体的に挙げて、理想的な「チーム学校」について述べていきます。

そもそも不完全。しかし・・・

私たち人間は、皆不完全です。サービス業従事者であろうが、靴職人であろうが、総理大臣であろうが、官僚であろうが、教師であろうが、皆、苦手なことがあります。しかし、同時に得意なこともある。職業の中で、得意分野を発揮していくことが、社会貢献につながり、自身の自己肯定感の向上にもつながっていくのです。

専門家として求められるスキルは多い

日本の教師は、教育の専門家として教科指導能力、生活指導能力、事務処理能力等が求められます。その中で、あまり得意ではないことがあるのは仕方のないことです。また、異動して新たな職場に行くと、相対的に能力が一時的に低くなるということもあり得ます。

生徒指導と一口に言っても集団指導もあれば個別指導もあり、同性への指導もあれば異性への指導もあります。内容も防犯指導、安全指導、規律指導・・・、多岐にわたります。事務処理に関しても、学校全体に関わる文書作成、学年に関わるもの、学級に関わるものなど異なります。また、テストの採点は正確さと速さが求めれます。通知表や指導要録作成など、より重要度の高いものもあります。なお、最近は少なくなってきているようですが、集金作業も教師の仕事となっている場合もあります。

凹凸があるのなら、補い合えば良い

教師一人一人に得意、不得意の凹凸があるのであれば、補い合えば良いのです。行事運営などで、「〇〇先生は、△が得意だから、これお願いします!」という足し算の視点を持って接すると、お互いに気持ちが良いものです。相手のできるところを生かし、組織運営を適正化していくこと。これが職場に活気を生むのではないでしょうか。

当然、苦手な面を援助することも大事です。この動きが自然にできている職場は、チームとして機能しています。その際にポイントとなるのが、苦手なことがある先生自らが、「すみません。これ、お願いしてもよいですか!?」と言える雰囲気だと思います。このような場合は、「お互い様だから。この部分は苦手だから助けてもらい、次は自分が手助けしよう」という前向きな気持ちが働いています。

これができるかどうかのポイントとなるのが、日頃、自身の得意な点を足し算で見てもらっていることではないでしょうか。自己を認めてもらうことで自己肯定感が上がり、真面目な人ほど言い出しにくい「手伝ってもらってもいいですか?」が自然と言えるのです。

引き算で行くと、愚痴につながる

「〇〇先生は、こんなことも分からないのか・・・。困るな」などと、同僚のできない点を引き算の点で見てしまうと、それは、他ならぬ愚痴になってしまいます。愚痴が蔓延する職場は殺伐としますね、お互いがお互いを表裏で攻撃する現場。そのような場所では、子どもたちに対する健全な教育はできないのではないでしょうか。

初任者、転任者は分からなくて当然

初任者に対しては、分からなくて当然という意識は比較的持ちやすいと思います。しかし、中堅からベテランの転任者に対しては、同じ校種なんだから大丈夫でしょ、という認識を持ってしまいがちです。それが、相手のできない点を目にした時の愚痴につながってしまうのです。

学校にはその職場独自の不文律があります。児童生徒の様子もそれぞれ異なります。地域性や保護者の様子によっても、教師としての必要な姿勢は変わってきます。その学校独自のそのような点は、転任者も聞かなければ把握することができません。聞かなければ、各教育場面で適切な言動をとることができないこともあります。そのことを複数年在職している教師が認識して、寛大な目を持つことが大事です。明日は我が身かもしれないのです。

介護や育児のため環境が変わった先生にも配慮を

介護や育児のために時短勤務等をとる先生方がいらっしゃいます。このような先生方に対して引き算の目で接すると、どのようなことが起きるかお分かりになると思います・・・。そうです。邪魔者扱いすらされてしまうのです。仕事が滞っているのは組織全体や遂行している自身に原因があるにも関わらず、「うちの学年には、介護のために途中で帰る〇先生がいるからな。困ったものだよ」などということがあってはいいけません。管理職には、そのような点に目を光らせていただきたいと思います。

介護や育児のために短時間勤務をする先生に、足し算の目で接するとどうなるのか。例えば、早く帰るけど、その分朝早く出勤されているのであれば、そこでできる事務仕事などをお願いするのも良いでしょう。また、夜、家庭で比較的時間がとれるようであれば、個人情報を扱わない文書作成等をお願いすることも良いでしょう。また、行事等で、得意な分野を積極的にお願いすることも良いでしょう。

ただ、留意すべき点は、御自身の授業準備も限られた時間で行わなければならない状態なので、その辺の見極めをすることです。介護や育児で早く帰られる先生方は罪悪感を抱えていらっしゃる場合が多いです。そこを慮って、できることをやっていただくというスタンスを明るく笑顔で伝えられる職場であってほしいと思います。できることを、力として足していただけば良いのです。

できることをやるのは気持ちが良い

人間だれしも、自分ができること得意なことをやる時は、過度なプレッシャーはかかりません。自然と表情も柔らかくなり、それが周囲に伝染していきます。足し算の視点で、素晴らしいチームが日本全国に増えることを願っています。

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