こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。今回は教師の「ありがとう」について書きます。特に、今回は新規採用教員(以下、「初任者」とする。なお、論の構成上、若手を想定します。他意はありません)の「ありがとう」に絞ります。

初任者には恩に気付くという大仕事がある

初任者は、多くの同僚の関わりがあります。それは、法定研修で初任者研修があるからだけではありません。初任者を育てることが学校教育の未来を創るという不文律があるからです。初任者は、教育界の宝です。大事に育てられた初任者に必要なことは、「ありがとう」の気持ちを持つことです。育ててもらったことに気付いて恩返しをすることで、この文化は継承されていきます。

失敗してあたり前

初任者は失敗して当たり前です。大学では、座学がほとんどですので、現場に出て初めて分かることがあります。「最初から、失敗してもいいや」というポジティブ・シンキングではなく、「失敗を次に生かす」というプラス思考を持つことが大事です。そして、先輩教師の言うことを素直に聞くことも必要でしょう。そして、自分流を磨いていけば良いのです。

「教育実習プラスα」隆盛・・・

近年、教育実習以外にも、その前に学校現場を見学する見学実習や、長い期間現場で実習をする代わりに採用が保証されている独自の取り組みも出てきました。これは、従来の教育実習のみでは、初任者がぶつかる理想と現実の乖離を埋められないという現状があってのことでしょう。また、「即戦力」という言葉が背景にはあります。これはこれで、大変有意義な取り組みだと思うのですが、懸念もあります。

  1. 現場の先輩教師が、「特別な教育を受けてきているから、口出しするのはやめよう」と思うこと。
  2. 初任者が「自分たちはしっかりとやらなければならない」という過度のプレッシャーを持ってしまうこと。

授業をする、副担任をする、担任を持つ、分掌を担当する、生徒指導をする、保護者対応をする中で初めて分かることがあります。それは、感覚的なことも多いです。したがって、どう短く見積もっても、1年間は通してみないと凡ミスのようなことは起きるものです。経験があっても失敗はあるのですから。教特法でも、教員は1年間は条件付き採用とされています。

教育実習以外の「お膳立て」が進み、初任者も先輩教師も余裕がなくなり、失敗を許容できない雰囲気が醸成されることを、個人的には心配しています。採用前に実践的な研修を積むことは素晴らしいことです。ただ、そこで過度のプレッシャーや特別な意識を持ちすぎずに、先輩に頼る柔軟さも持っていただきと考えます。

うまくいったのは自分のおかげか

初任者でも結果を出す人は当然います。ただし、その時に考えてほしいのは、「自分は力を発揮しやすい環境においてもらったのではないか」ということです。小学校であれば、落ち着いた学年・学級の担任をさせてもらい、中学、高等学校であれば得意な授業科目を持たせてもらっていることはあるはずです。また、特別支援学校であれば、指導力の高い同僚とT-Tを組ませてもらっていることは多いです。そのような配慮があってこそ、成功体験を積み自信を構築することができるのだと思います。

恩返しの方法は

初任者は、同僚の言葉に素直に耳を傾け(理不尽な言葉は無視か相談です)、「分かりました!」と答える。そして、違うかなと思ったら、言い方を工夫して自分の意見をぶつければ良いのです。それが職場に活気を生み、新たな刺激となって同僚性が育まれていきます。では、直接の恩返しとはどういうことでしょうか?

初任者がするべき恩返しは、正確には「恩送り」だと私は考えます。初任としての1年を終えて教師生活を積み重ねていく中で、初任者が入ってくることでしょう。その初任者に対して、大らかな目を持ち育てていけば良いのではないでしょうか。それが、自分が初任者として受けた恩を、数年後の初任者に送るという行為です。

このサイクルを、初任者だけではなく、転任者に対しても回していけばその職場は非常に温かい雰囲気になると思います。新転任者は不安を抱えています。その時に、「かつて自分が受けた恩を送ろう」と意識しなくても行動できる先生方のいる職場は、まだまだたくさんあります。私自身も恩を受け、恩を送ってきました。

しかし

しかし、残念なことに、初任者に対して大らかな目を持っていない職場があります。初任の先生が命を絶つという大変悲しい出来事が起きています。相談できないこと、辛く当たられることは、初任者にとって何よりも辛いことです。初任者は気丈に振る舞っていても、不安なのです。その不安を前提に、大らかな心で受け入れてゆったりと育てていく職員室の文化を作っていってほしいと思います。

人間は環境が変われば、新たな支援が必要です。いえ、変わらなくとも、常に誰かの支えがあってこそ日常生活を営むことができるのです。このことを忘れずに、私自身も先生方を支援していきたいと思います。

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