こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。スポーツの世界でよく聞く「スランプ」という言葉。教師経験をある程度積み重ねていくと、「スランプ」だと感じることがあると思います。

これまではうまくいっていたことが、ことごとくうまくいかないような時です。今回は、スランプ時の働き方について提案してみます。

回避ではなく受け止める

スランプは一見マイナス要素のように思われますが、冷静に考えるとプラスの一面が見えてきます。よって避けるのではなく、まずは受け止めるという態度が重要です。スランプの捉え方について、以下に述べていきます。

一定の実力がある教師がスランプを感じる

スランプを感じるということは、それまではうまくいっていたということ。それが数年に渡って継続できていたのであれば、教師としての実力が備わってきたということでしょう。

よって、スランプが来たら、それを受け止めて、これまでの自身の実践を褒め、周囲の協力に感謝をする時間をとってみてください。

そして、その後で、スランプが起きた原因(「なぜか」)と「どうするか」について考えていくと良いでしょう。

壁があるから成長できる

これまで努力して真摯に教育実践を積み重ねてきた先生方。その成果として、毎年充実した教師生活を送ることができるようになっていることでしょう。

しかし、それでも壁は現れるものです。特に異動を機にスランプが訪れることが多くあります。その学校、地域の独特の雰囲気のもと、これまでの自分の教育に関する常識が通用しなくなったりします。

また、学年によって、その「カラー」が大きく異なることがあります。異動しなくとも、新たな学年を担当した際に、急にこれまでの教育技術では立ち行かなくなることもあります。

そのような際にも、これまで教師としての成長を遂げられた先生方であれば、考え方一つで対応できます。それは、「これは成長のチャンスだ」という考え方です。

これまで研修研鑽を積み、授業技術、生徒指導技術、事務処理能力の高め方、自身の心の整理方法等を習得されています。それらを応用して、これまで見たことのない特性や教育課題を抱える児童生徒、地域を前にしても、これまでの考え方を応用して段階を踏んで自身の糧とすることができることでしょう。

柔軟性

スランプに陥った際に重要なことは、柔軟性を持つことです。これまでのやり方に固執してしまうのは賢明ではありません。うまくいかなくなったのであれば、方法を変えれば良いのです。

例えば、20年前にうまくいかなくて捨てた方法であっても、今回は生きるかもしれません。とにかく、今までうまくいった方法が、今通用しないのであれば、変化を取り入れることが必要です。

ベテランの学級崩壊

ベテラン教師の学級崩壊が叫ばれるようになって久しくなりました。いろいろな要因があると思いますが、やはり、変化することができなかったという場合に、スランプが学級崩壊のように大きくなってしまうという面があると思います。

しかし、事はそこまで単純ではないのが現場です。教師一人の動きではどうすることもできない事態が生じています。一例を挙げます。

例えば、毅然とした指導に関して。少々、厳しめの言葉で指導をすると、「それって言葉の暴力ですよね。訴えますよ」と挑発してくるような児童生徒がいます。

「挑発して煽る」を繰り返せば、周囲の未成熟な子どもたちは易きに流れます。それでも、実力のある教師は、そこに乗りません。冷静に対応します。しかし、今度は乗らない状態を、「言い返せないのか?」とさらに挑発してきます。

「暴言も体罰です」を拡大解釈して、また都合よく解釈して、気に入らない教師を陥れる動きは全国であります。

このような現状は理屈抜きで、末期です。この状態に対応するには、管理職を中心に全教員が、ぶれない一枚岩となり毅然と向き合うことが必要ではないでしょうか。

ベテラン教師に限らず、教師が苦しんでいたら、全教員でカバーをするという姿勢が必要です。たとえ、その教師がミスを犯して児童生徒との関係が悪化していたとしても、そこを放置するのではなく、助言をすることが重要ではないでしょうか。

助言だけではなく、時には、その教師を注意することも必要です。その教師が自分がやってしまったことを反省して、修正し、正しい方法で子どもたちに還元していくことが何より重要なわけですから。

抱え込むのは損失

全教師が一枚岩となり、窮地に立った教師を救う土壌がなければどうなるか。そこで起こるのは、抱え込みです。一人ではどうしようもない状況であるにもかかわらず、同僚からも冷たい視線が浴びせられているような状況では、相談などできません。

そして、悪い状況はますます悪化して、収集不能に陥るという事態を招いてしまうのではないでしょうか。

教師一人が問題を抱え込んでしまわざるを得ないような文化がある職場は、大変な損失を被ります。大切な一人の教師が職場、教職を離れることもあり、児童生徒は成長の機会を奪われ、最後まできちんと授業を受けたかった児童生徒は他の生徒よりも深い教師不信に陥ってしまいます。さらに、一学級の荒れが学年、学級に波及する恐れもあります。

教師のスランプは個人の問題を超える

以上見てきたように、教師が感じる「スランプ」というのは、実は、環境的な要因がもとで引き起こされるものであり、個人で解決できるレベルを超えていることが多いです。

だからこそ、校長のリーダーシップのもと全教員が「チーム」として動く発想が不可欠になってきます。「スランプかな?」と感じた教師が、「今の自分では解決できそうにないから力を貸して!」と明るく、また力強くお願いできる職場は素敵だと思うのです。

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