こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。教師と保護者の関係が良くなれば、子どもにも好影響が出ます。しかし、現実的には「モンスター・ペアレント」、「ダメ教師」と攻撃し合う構図もあります。以前のブログにも書きましたが、一度の行き違い等でいがみ合うのは残念なことです。今回は、関係がうまく行っていないな、と思った時に必要な一言を御紹介します。

お互いがこの言葉を口にすれば、険悪にはならない

今回御紹介する言葉は、「いつもありがとうございます」です。この言葉を挨拶の際に言うと、お互いに気持ちが良くなります。この言葉が持つ意味について分析し、理想的な教師と保護者の在り方について述べていきます。

保護者に救われる教師

私が教師になりたての頃、理想と現実の違いに憤って、毎日イライラしながら勤務していた時(肢体不自由養護学校※現在は肢体不自由特別支援学校)、ある女子生徒の保護者が、お迎えの時に声をかけてくれていました。ある時は、励まされ、ある時にはパンをもらい(笑)、精神的に救われていたのを覚えています。メディアは、教育に関してもマイナスのことや誇張した美談を好みます。しかし、現実には、何気ない一言で救い、救われている関係があるのです。

なぜ、「いつもありがとうございます」なのか

私は、パンをもらっていたから「いつもありがとうございます」と言っていたのか?また、保護者は、いつも私が生徒に特別優しく接しているから「いつもありがとうございます」の気持ちでパンをくださったのか?いずれも違いますね。パンをもらったお礼は言いますが、それとは別です。後者においても、私は、生徒には平等に接していました。では、なぜ「いつも」なのか?

それは理屈を超えた、意味が含まれているからです。「いつも」というのはここでは、「毎日」という意味ではありません。「本当に」という意味に近い感覚です。また、特に意味はないのです!強いて言えば、「強調表現」です。「ありがとうございます」を強調します。

保護者会を例に

年に3回の保護者会があるとします。年度末の保護者会にて、3回目の参加の保護者にも「いつもありがとうございます」、初めて参加の保護者にも「いつもありがとうございます」で良いのです。前者には、「毎回、参加していただきあろがとうございます」の意味が強くなります。後者に対しては、「今日は本当にありがとうございます」、「いつも、子どもさんを元気に送り出していただきありがとうございます」などという意味が含まれます。

子どもが登校するのは当たり前のことではない

前述した、「いつも、子どもさんを元気に送り出していただきありがとうございます」という考え方に違和感を抱く方もいらっしゃるかもしれません。特に、小中学校の義務教育に関しては、保護者は「教育を受けさせる義務」があります。しかし、教育は家庭、学校、地域社会の連携の下で成り立つものです。学校で教師側とトラブルのあった子どもを家庭でなだめて、翌日元気に通うことにつながっているかもしれません。子どもが元気に学校に通ってくるのは、「当たり前」のことではありません。いろいろな立場の方の協力があってこその奇跡のように、私は思うのです。

部活動を例に

部活動で、大会前にレギュラーを外れた生徒はモチベーションが下がることがあります。それを送り出す保護者がいます。また、子どもは控えでもチームを応援に来てくれる保護者もいます。そのような保護者に対する「いつもありがとうございます」という言葉は、重要な意味を持つと思います。

弁当作りもそうです。休日はゆっくり休みたい保護者は多いです。それでも、子どものために弁当を作り、送り出すことになります。子どもたちが食事も含めて良いコンディションでなければ、部活動の練習や試合は成立しないのです。顧問教師のみではなく、関係する教師は、そのようなことも頭に入れておくと対応が変わってくると思います。

難しく考えない

保護者との関係作りは、難しく考えない方がうまくいく場合が多いです。確かに、クレームを言われることもあります。ただ、それは子どものことを思ってのこと。そして、教師側の受け止め方によって、教師自身の成長につながります。目に見えない保護者の動きに感謝を示して、「いつもありがとうございます」と言ってみる。それは、とにかく「保護者がいて初めて、児童生徒の教育もうまくいく」という気持ちを持つことでもあります。

まずは、教師側から保護者を信頼して感謝の言葉を発してみる。そこに難しい考えはいりません。挨拶とともに笑顔で「いつもありがとうございます」と言ってみましょう。

保護者も教師に同じ気持ちを抱く

「いつもありがとうございます」という気持ちは、教師側のみが持つものではないと思います。保護者も教師に対して、「いつもありがとうございます」という気持ちを持っている人がほとんどです。「いや、自分はそんな保護者と会ったことはない!」という先生もいらっしゃるかもしれません。特に、保護者から理不尽に責められている方は、そのように思われることでしょう。

ただ、想いとしては持っていても、うまく言葉にできないという保護者もいらっしゃいます。意味不明なクレームを言われる場合は除き、ちょっとしたクレームや反論、提案等の裏には、先生方への期待が隠れています。そして、言っても無駄と思うのであれば口にされません。考え方次第で、保護者に対する向き合い方も変わってます。

何よりも、保護者は我が子がかわいいのです。その思いを受け止めて、「最高の相棒」となるために、まずは先生方から「いつもありがとうございます」と言ってみませんか?まずは見返りを求めずに、心から与えることです。そうすれば、気持ちは伝わります。

まとめ

私が言うまでもありませんが、教師と保護者が同じ方向を向いて教育に当たると、子どもに好影響が出ます。そうであるからこそ、お互いがお互いを尊重し合う。そのために、「いつもありがとうございます」という言葉を口癖にしてみることを提案します。

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