こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。さて、「教師は役者でなければならない」と言われます。いろいろなタイプの幼児・児童・生徒に合わせて、最大限の指導効果を出すためには、必要な力量だと経験的にも思います。なお、子どもたちが喜ぶなら、と仮装なども厭わないのが教師です!。あなたの学校に被り物が好きな先生、いますよね?役者魂あふれる教師たち、素敵です!
個人で演じること、集団で役割を演じること
教師個人が演じることができる役には限りがあります。そして個人差も。そのため、集団で演じ分けることも、学年運営、学校運営上不可欠になってきます。それぞれについて、効果が出る場面はどのような時なのかを述べていきます。
教師であることは、「その役を果たす=演じる」こと
教員免許を取得し、採用試験に合格して教師となります。そして、「先生」と呼ばれます。ということは、子どもや保護者の前に立つときは、「教師」としての責任を果たさなければならないのです。言い換えると、教師として振る舞う必要があります。寡黙な性格であっても、授業をする時に黙っているわけにはいかないのです。
声量は限界がありますが、一斉授業では、話すという行為はある程度必要になります。アクティブ・ラーニングが隆盛になってきましたが、机間巡視しながら、適切な助言もしなければならないですね。逆に、おしゃべりな性格である場合、授業中に教師が一方的に話していたのでは、子どもたちは辟易しています。「教師」として、タイミングを見計らいながら、児童・生徒に必要な内容を適切なタイミングで工夫しながら話すことが必要です。
人生の中で、他者に声を荒げたことがなくとも、指導場面では、きつく叱る場面も出てきます。叱ることは怒鳴ることとイコールではありませんね。普通の声量であっても、言葉の長さや声色、表情などで子どもたちに伝えなければなりません。「私は、性格的に人を叱ることはできません」というのは、「教師」であることの基本的な意味が分かっていないと思います。自分のできる方法で、教師としての責任を果たせば良いのです。
チームは強い
厳しさと優しさ、フレンドリーさを切り替えるのは、とても大変なことですが、自分一人でも、褒めるところ、叱るところ、遊ぶところの表情や声色は決めていくことが必要です。しかし、学年の児童生徒を指導していく時には、全ての役を演じ切ることができない時があります。生徒のパワーに押し切られることもあると思います。チそこで、チームの力が必要になってきます。
学年団の中で、「厳しいタイプ」の先生(A)、「優しいタイプ」の先生(B)、「親しみやすく、兄貴・姉貴的」な先生(C)がうまく役割分担されていると、その学年はうまくいきます。(A)は父性型、(B)は母性型、(C)は友達型とでも言っておきましょう。(A)の先生は、嫌われることも多いです(笑)。しかし、一時的であり、反発する子どもたちも実は親しみを持っているということも少なくありません。楯となる(A)先生をフォローするのは(B)先生ですね。叱られた子どもに対して、「(A)先生も、本当は、言いたくないんだよ。あなたのことを思っているんだからね」といった感じですね。(C)は情報屋(?)とでも言うのでしょうか。児童・生徒の懐に入って、悩みなどを聞き出すことが得意です。そして、子どもたちをフォローしつつ、情報を学年の教師で共有していきます。
それぞれが重要な役割です。ここで、注意しておくことは、(A)を男性が、(B)を女性が、(C)を若手が担わなければならない、ということはないということです。自然と(C)は若手教師がはまり役になってくるとは思いますが、定年前のベテラン教師にも、懐に入るのがうまい方がいますよね。また、男性の中にも優しくて、同僚や児童・生徒をなだめるのがうまい(B)タイプの教師もいます。さらに、若手の女性教師でも、竹を割ったように(A)の力を発揮できる方もいます。結局は、適材適所です。
この役割を年度当初の学年会で話し合えたらいいですね。あくまでも役割なので、児童・生徒から受け入れられない場面があったとしても、人格が否定されるわけではありません。特に、(A)の先生方を他の教師は守らないといけないと思います。例えば、厳しく生徒指導をして、生徒から暴言を吐かれた(A)先生に対しては、「先生、いつもありがとうございます。先生が言ってくださるから、〇〇にも伝わりますし、学年も締まります。私たちにやることがあったら、何でもいってくださいね」といったところでしょうか。
また、(A)先生は(B)先生に対して、「〇〇(生徒)のフォローありがとうございます。助かりました。言い過ぎたかもしれないので」などと、お礼を言うのではないでしょうか。さらに、(C)先生は、「子どもたちの深いところまで、見てくれてありがとうござます」などと言ってもらえると良いですね。
学年が変われば、(C)先生は(A)の役割を務めることになるかもしれません。その意味でも、自分が演じている役割以外の教師の言動をしっかりと見ておくことが重要です。また、しっかりと見ていれば、自然とお礼の言葉も出てきます。映画にはいろいろな配役があります。全てが重要です。学年団も、教師一人一人が自身の役を演じることで、子どもたちの成長、教師の成長という最高の作品が完成するのではないでしょうか。
まとめ
役を演じるというのは、わざとらしく振る舞うことではありません。「教師」として、自身の性格を超えて、子どもたちの成長のためにふさわしい言動をとることです。個人では児童・生徒集団をまとめきることができなくとも、学年団で協力をすれば、お互いが成長できます。そのためにも、常にコミュニケーションをとりつつチーム意識を持って教育実践に臨むと良いと思います。
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