こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。
渡辺和子氏の「置かれた場所で咲きなさい」(幻冬舎)を、私は教師生活の最後の2年間で繰り返し読みました。内容もさることながら、タイトルが私の頭の中に残り、事あるごとに語り掛けてくるような感じがします。教師も様々な立場があります。では、教師にとって「置かれた場所で咲く」とはどのようなことなのでしょうか。今回は校長先生への提言として、私の考えを述べてみます。

校長の職責を果たすことは教職員の人生を守ること

校長になる人を、ここでは大きく2つに分けてみます。教諭時代から抜群の指導力で、なるべくして管理職になった人。教諭としての指導力に限界を感じて管理職の道を歩んだ人。前者は、今回取り上げるまでもないと思います。後者は、一見問題ありかも?と思われることもあるでしょう。しかし、いかなる経緯であろうとも、校長がいかに「置かれた場所で咲く」かがポイントです。校長という「場」で咲くことが教職員の人生を守ることになるのですから

30代でも管理職の道へ

自治体によっては、試験を受けて30代で管理職のコースに乗ることができます。「指導主事→副校長→校長」となり、40代での校長も珍しくなくなってきました。良し悪しを問う立場にありませんが、この制度の弱点として児童生徒を直接指導した経験が少ないということが挙げられます。しかし、経験不足は問題ではありません。

リーダーには資質が必要

そもそも、リーダーには資質が必要です。その資質は天性のものと養われるものがあると思います。いずれにせよ、リーダーのとしての資質がない人のもとで仕事をすると恐ろしいことが起きてしまいます。また、資質は経験を凌駕します。よって、教諭としての経験が少なくても、資質があればリーダーとして管理職になって組織を動かすことに何ら問題はないのではないでしょうか。

得た地位のもと、職責を発揮すること

年齢や経験に関係なく、正規のルートを踏んで校長になったのであればやることは一つです。それは、校長としての職責を果たすことです。それは、校務をつかさどり、教職員を監督すること。要するに決定権者として、人的な管理をしっかりと行うことです。

適正な人的管理をするために必要なこと

正しいことをする教職員を適正に評価すること。そこに、私的な感情は不要です。客観的に見て、当たり前のことを当たり前に行う教師を大切にしてください。職責を果たさない教師には、最低でも注意を促してください。そこで、おかしな恫喝もあるでしょう。そこに屈せず、校長としての矜持を持ち、正しいことが正しく行われる職場を作ってください。教職員間のいじめがある場合は、目をそらさずに毅然と対応してください。

正しいことができる教師が子どもを育てる

正しいことを行う教師は子どもを育て、日本の未来を作ります。そこを守ることができないのであれば、教育管理職を名乗るのをやめてください。難しいことではありません。法規に則り、教育公務員の職責を当たり前に果たす多くの教師を労わってください。理不尽な圧力を受けていたら守り抜くという姿勢を見せてください。

職責を果たさない教師には毅然と「NO」を

学校が「ブラック」と称されるのは、大変残念なことです。その原因は「働き方」とされていますが、核心は違います。はっきりと言えます。校長先生・・・あなたも気付いていらっしゃるのではないでしょうか。職責を果たさない教師はいませんか?一部の教師が不可解な量の仕事を抱えていませんか?そのような状況でも、「学校が回っているからいいや」で済ませていませんか?悪いことは悪いのです。「NO」を毅然と突き付ける対象を定めて実行してください。

勤務校の在職年数を楯に恫喝する相手には・・・

職責を果たさない職場の「主」がいると思います。「あんたに何が分かる。俺は12年もここにいるんだ」などと言ってくるかもしれません。静かにズバッと言いましょう。「立場をわきまえてください」と。子供じみた遠吠え処理は大変かもしれませんが、感情を入れずに立場を理解させましょう。ひどい場合には、職務専念義務違反を持ち出しましょう。

これ以上、犯罪行為を蔓延させないでください

職場のいじめ・・・いいえ、「犯罪行為」から目をそらさないでください。被害者に寄り添ってください。被害者に寄り添う同僚も守ってください。外部機関の協力を委ねることを躊躇しないでください。子どもたちに「道徳」や「人権」を説くのであれば、まずは大人の人権侵害を無くしてください。

過去は振り返らない

教諭としての指導に限界を感じて管理職の道を歩んだ場合には、「あの校長は教師としては最悪だった。学級崩壊を起こした」と過去を知る者たちから言われるかもしれません。しかし、過去は過去です。今の校長という立場で正しい言動をとること。それこそが「置かれた場所で咲く」ということです。あなたは、まがりなりにも校長になった。過去をほじくり返されようが、無視して、リーダーとしての資質を見せれば良いのです。それが、あなたの職場で働く教師を守り勇気付けることになり、最終的には子どもたちのためになるのです。

校長は偉い

校長先生は偉い。偉いからこそ、職場で最高の権限を持つのと同時に最高の責任が伴うのです。校長先生が教職員を守るという責任を果たす時、まさに校長という置かれた場所で咲いているということになるのだと思います。

私は、校長先生も応援し続けます!