こんにちは。先生のための働き方コーチ・平田洋典です。生徒指導をしていく中で、「なぜ」と「どうするか」のどちららが重要かがよく議論されます。これは、カウンセリングにおいても同様です。ただ、どちらが大事なのかではなく、どちらも重要という視点が必要になると、私は思います。そこで、今回は、「なぜ」が必要になる状況について述べていきます。
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「なぜ」は他者に倣うことと、根本的な解決に不可欠
「なぜ」はうまくいっている他者から倣い、自分(たち)もうまく教育活動を展開するために必要な視点です。また、いじめや不登校の問題などで、根本的な要因を把握するために不可欠となってきます。
良いお手本から学ぶ
同じ生徒集団を指導するのに、自分はうまくいかなくても、A先生はうまくいくということがあります。同じ部活動をほぼ同じ条件で指導する際に、同じ公立校なのに自校とB高校では生徒の取り組み方が全く異なる(B高校はうまくいっている)という場合があります。このような時には、「なぜ」うまくいくのか、という視点を持ち、倣って取り入れることが重要です。うまくいっている対象は、良いお手本なのです。
有限の時間の中で成長するために
教師は多忙のため、ありとあらゆる研修に出たり書籍を読む時間も限られています。そのような限られた時間の中でも、うまく指導できている同僚を見ることはできます。特に行事指導では、教師が一堂に会すことが多いので、授業時間内にうまく指導できている同僚を観察することができます。この場合に自分と「比較」することは必要なことです。話す位置、タイミング、話し方、声色、声量・・・などスキル的なことは、細かくメモして比較しましょう。
部活動で合同練習や練習試合をする際に、特に似た状況の学校と一緒になる際には、ぜひ相手校の優れた点を倣うように意識すると良いと思います。顧問が優れているのか、生徒の自治なのか、それとも、自治のように見えて、実は顧問がしっかりと意図的に指導を仕組んでいるのか・・・。意識的に見ていくと、学ぶべき点は数多くあります。
大事なことは時間がかかる
いじめが起きた際に、被害者の安全を守るのは大前提であり、その意味では「どうするか」の視点が優先されます。ただし、ここからが重要です。必要なことは、「なぜ」いじめがおきたのかという原因究明です。複雑な人間関係や時期的なことも絡んでくると、突き止めることは不可能かと思われることもあるでしょう。しかし、そこで原因究明をやめてしまえば、更なる問題に発展しかねませんし、加害者の逃げ得のような現象も起きかねません。被害者を絶対に守り抜き、原因究明をしていじめを追放するという気概が不可欠です。
時間がかかることに取り組むからこそ専門家
いじめや非行の問題の「なぜ」に向き合うことは、時間がかかります。正規の授業や分掌の仕事と並行して進める必要がある点でも、根気が求められます。だからこそ、教師の仕事は労働者論のみで割り切ることはできないのではないでしょうか。「子どものため」という気持ちがあってこそ、責任を果たせる教育の専門職であるように思います。
今日も日本中で、「なぜ」に向き合っている先生方。先生方のその姿勢が子どもたちを守り、日本の未来を輝かせます。これからも、先生方を応援し続けます!
★お悩みの際には、御連絡ください★